土木検定(No.27掲載)
〜正解と解説〜
解説
水位周知河川とは洪水予報を行う時間的余裕がない「流域面積が小さい河川」です。
特別警戒水位を定め、この水位に達したときは、その旨を水位または流量を示して通知・周知するように定められています。一方で@新川は洪水予報指定河川にあたり、水位等の予測が技術的に可能な「流域面積が大きい河川」です。気象庁は洪水予報指定河川について、国土交通省(または都道府県)と共同で河川の増水やはん濫などに対する水防活動の判断や住民の避難行動の参考となるように洪水予報を行っています。
洪水予報河川とは(国土交通省HP)
http://www.mlit.go.jp/river/bousai/main/saigai/tisiki/syozaiti/pdf/yohousyuutikasen.pdf
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解説
伊勢湾台風ではそれまでに進められていた治水計画を大幅に上回る洪水を記録した河川が多く、建設省や各地方自治体は河川改修を根本的に見直さざるを得なかった。このため、揖斐川や紀の川、櫛田川、淀川などの水系で治水計画が改められ、伊勢湾台風時の洪水に耐えうる治水計画・河川総合開発事業が計画された。
伊勢湾台風の3年前に完成しており宮川流域だけが宮川ダムの洪水調節によって浸水被害を最小限に食い止めた。
伊勢湾台風を機に計画・建設されたダムとして、徳山ダム・横山ダム(揖斐川)、大滝ダム(紀の川)などがある。
宮川ダム(三重県HP)
http://www.pref.mie.lg.jp/MKENSET/HP/dam/

宮川ダム
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解説
深溝断層(ふこうずだんそう)と横須賀断層によって起こされた地震で、断層は陸上部で18km、総延長は28km、最大の高低差は約2m、横ずれ変異量は約1mである。この地震で形成された深溝断層は、1975年に愛知県指定天然記念物に指定されている。深溝断層は逆断層で、隆起側での家屋倒壊などの被害規模が大きく、沈降側での被害は断層からの距離が10m以内に集中した。
深溝断層(幸田町観光協会)
http://www.kota-kanko.jp/history/fukouzufault.htm

深溝断層
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解説
「土砂災害警戒区域」とは、土石流、急傾斜地の崩壊、地滑りが発生した場合に、住民等の生命や身体に危害が生じる恐れがあると認められ、都道府県知事が指定している区域を言います。
愛知県では、2018年9月30日時点で、12,308箇所が指定されています。想像したより多くありますよね。
各都道府県では、土砂災害から身を守る安全な地域づくりのため、「土砂災害防止法」による区域の指定を行っています。「土砂災害防止法」とは、正式名称を「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律」(2001年4月1日施行)といい、土砂災害から住民の生命を守るため、土砂災害の恐れのある区域について危険の周知、警戒避難体制の整備、住宅等の新規立地の抑制、既存住宅の移転の促進等の対策を推進しています。基礎調査に基づいて、土砂災害の恐れのある区域を「土砂災害警戒区域」、そのなかでも住宅などが損壊し、住民の生命または身体に著しい危害が生じる恐れのある区域を「土砂災害特別警戒区域」に指定しています。
このような土砂災害に関する情報を、愛知県では「土砂災害危険個所マップ」、「土砂災害情報マップ」として公開してます。日常から情報を確認し、豪雨時や台風時に備えましょう。
土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域等の基礎調査の結果の公表並びに区域指定、解除の状況について(愛知県HP)
https://www.pref.aichi.jp/soshiki/sabo/0000089139.html
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解説
国内で存在するといわれている主要活断層の位置、想定地震規模、及び発生確率等は、国立研究開発法人 防災科学技術研究所が一般に公表している「J-SHIS Map」で確認することができます。
これによると愛知県西部(知多半島付近)には、4つの主要括断層帯が存在し、それぞれの活断層帯を起因として発生する直下型地震の規模及び発生確率は以下のとおり。
@伊勢湾断層帯主部南部:マグニチュード7.2程度、30年発生確率ほぼ0%
A伊勢湾断層帯主部北部:マグニチュード6.7(=Mw)、30年発生確率ほぼ0%
B加木屋断層帯:マグニチュード7.4程度、30年発生確率0.1%
C猿投-高浜断層帯:マグニチュード7.7程度、30年発生確率ほぼ0%
「J-SHIS Map」では、各活断層帯を起因とする地震が発生した際の想定震度分布図を確認することもできます。猿投-高浜断層帯を起因とする地震では、名古屋市の一部、豊明市、刈谷市、高浜市、東浦市、半田市、碧南市等で、最大震度7が想定されています(下図参照)。
ちなみに、南海トラフを起因として発生する海溝型(プレート境界型)地震の想定マグニチュードは8.2〜9.1(=Mw)、30年発生確率は72.4%です(J-SHIS Mapより)。
猿投-高浜断層帯での地震による震度予測について(日進市HP)
http://www.city.nisshin.lg.jp/kurashi/sumai/bosai/jishin/6618.html

猿投-高浜断層帯 想定震度分布図
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猿投-高浜断層帯 断層パラメータ(一部抜粋)
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解説
日光川水閘門の機能
・高潮の時は海水が日光川に逆流しないようゲートを閉めます。
・地震に耐え、来襲する津波をゲートを閉めることで防ぎます。
・洪水の時は、ゲートを開け、日光川の洪水を伊勢湾へ流します。
・干潮時など日光川外水位が日光川の水位より低い場合はゲートを開け、日光川の水位を下げます。
・日光川と日光川外水位に差があっても、閘門では水位を調節し船が通行できるようにします。
日光川水閘門(愛知県HP)
https://www.pref.aichi.jp/soshiki/kasen/sinsuikoumon201803.html
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